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痛風


概要
 痛風は、高尿酸血症による尿酸塩沈着のため急性関節炎発作、腎障害などの症状を起こす疾患です。
 中年の男性に好発し(男:女=約50:1)、女性の発症はほとんど閉経後です。
痛風には遺伝因子と環境因子の両方が関与していると考えられており、環境因子としては、高カロリー食、ストレス、激しい運動、薬剤などが挙げられます。


尿酸の代謝
尿酸は、核酸、構成成分であるプリン塩基の代謝産物して生産されます(図1)。
図1
プリヌクレオチドプールが増えると尿酸生産が亢進します。
高尿酸血症の状態に、温度低下、血液のpH低下などの条件が加わると尿酸塩結晶が析出しやすくなり、析出した結晶は関節に炎症反応を引き起こします。



臨床症状

i)急性痛風性関節炎
 主として足の小関節(母趾の中足趾関節が最多)に発赤、熱感、腫脹を伴った激しい関節痛を起こします。いわゆる痛風発作といわれるものです(表1)。
表1.痛風発作の特徴
1.足の一箇所の小関節に急性関節炎を起こす
2.母趾中足趾関節の初発が多い
3.わずかな発作の予感を感じる
4.突然発症し、激痛は1日以内に最高に達する
5.発赤、感熱、腫張を伴う
6.発症3〜4日後より漸減し、2〜3週間で寛解
7.放置すると繰り返し、間隔が短くなる

 運動・外傷・寒冷・高プリン食・アルコール摂取などが誘引となります。
ii)痛風結晶
 高尿酸血症が長期間続くこと、尿酸塩が結節状に沈着した通風結節が耳介や手指にみられる場合があります。

iii)腎機能障害
 更に進行すると、腎尿細管機能障害に始まり腎不全に至る腎機能障害(痛風腎)が起こる場合もあります。



(4)検査所見
 種々の程度の高尿酸血症を認めますが、血清尿酸値がピークに達するのは痛風発作の直前であるケースが多く、発作時には尿酸値がピーク時よりやや下がっていることが少なくありません。
その他、発作時にはCRP陽性、白血球数増加などの所見が見られます。
X線では初期には異常を認めませんが、進行すると punched out lesion を認めるケースもあります。



治療

(a)痛風発作に対する治療
 かって痛風の特効薬といわれたコルヒチンは副作用が多く最近ではあまり使用されなくなりました。
 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の投与が一般的です(短期大量投与を勧める意見もあります)。



 1)薬剤治療
 尿酸合成阻害剤(アロプリノール)と、尿酸排泄促進剤(プロベネシド、ベンズプロマロンなど)を成因に応じて投与しますが、実際にはほとんどの場合アロプリノールが first choice として使われます。
血清尿酸値は 6.0mg/dl 以下に保つのが理想です。

 2)食事療法
 高プリン食(レバー、牛肉、魚介類、大豆、ビール)を避けるよう指導します。
 ただ、実際には尿酸合成に使われるプリン体のうち食品由来のものが占める割合は3〜4割程度ですので、あまり厳しい食事制限は意味がないと思われます。

(c)尿路管理
 腎障害・尿路結石予防のために、十分な飲水により尿量を1日2L以上に保つよう指導します。





森本整形外科医院
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